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会報特集記事

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患者受入の有無にかかわらず病院一丸となって感染予防を

三軒茶屋病院院長 東京都病院協会常任理事大坪 由里子

東京都病院協会はこのほど、新型コロナウイルスの院内感染予防に向けて「コロナ予防7ヶ条」を策定した。その経緯や趣旨などを、策定の中心者である大坪由里子常任理事にうかがった。

東京都病院協会 コロナ予防 7 ヶ条

1.手洗い・手洗い・手指消毒!

接触感染を防ぐために手指衛生を徹底しましょう

2.マスク-マスクで低リスク!

たとえ後にどちらかが感染者であることが分かっても、お互いマスクをすることでリスクがぐんと下がります

3.飲食する時おしゃべり厳禁!

おしゃべりをしながらの飲食が1番危険です。おしゃべりする時はマスク-マスクで

4.首から上には触らない!

ウィルスは粘膜から入り込みます。目、鼻、口には触らないこと。髪もウィルスが付着しやすい場所です。触らないように

5.出勤前に必ず検温、

症状あったら報・連・相!
無理をして出勤しないこと。発熱や呼吸器症状があったら必ず上司に電話連絡を。「熱があったら休む!」が本当の責任感です

6.環境整備が身を守る!

エレベーターのボタン、手すり、パソコンのキーボード、マウスなど、いつ誰が行うかを決めて環境整備を徹底しましょう。ナースコールや医療機器のボタンやスイッチは見落としがち。休憩室の冷蔵庫・電子レンジの取っ手などもお忘れなく

7.コロナはこっそり入り込む!

コロナは患者さんだけが院内に持ち込むわけではありません。無症状の医療従事者が院内に感染を広めてしまうこともあります。自分も相手も感染者である前提で行動することが、院内感染を起こさないカギになります

新型コロナウイルスに限らず、院内感染対策は、特定の医師や看護師だけが尽力して達成できるものではなく、職員全員が取り組むことが大切だ。ところが新型コロナウイルスの院内感染予防の具体的な取り組みは、学会などからそれぞれの診療内容の特性を踏まえて指針が打ち出されているものの、「医療機関」という単位でどのような取り組みが求められるかといった手引きはなく、個々の医療機関がそれぞれ、手探りで進めなければいけない状況になっている。

また新型コロナウイルスは感染力が強いため、感染した患者さんを受け入れるか否かにかかわらず、あらゆる医療機関が院内感染予防に取り組まなければならない。

今回の「予防7ヶ条」を検討しはじめた頃は、ちょうど「院内感染」がマスコミなどでも伝えられていたが、感染患者を受け入れていない病院でも院内感染が見られたとの報道もあった。そこで、病院の機能にかかわらず、職員誰もが無理せず簡単に取り組むことができ、かつ常に心に残るようなシンプルな標語の形で提示することにした。

そうしてまとめたのが「予防7ヶ条」だ。1〜6は日常業務のなかで職員に忘れず実行していただきたいことを掲げた。感染した医療従事者のうち、実に8割以上が院内でなく、院外で感染しているという(5月3日までの東京都のデータ)。これだけ市中感染が広まっている現在、常に、自分も相手も感染しているかもしれない前提で動くこと。そうしたことを念頭に置いている。

7は今回の新型コロナウイルスがどういう性質をもったものなのかを、職員に肝に銘じていただきたいこととして掲げている。新型コロナウイルスは潜伏期間中にも感染するという特性を持つ。これを踏まえたうえで、感染拡大を防いでいただきたいと考えている。

院内感染の防止が特に重要なのは、一度、院内感染が広がると、通常の医療まで逼迫してしまうからだ。まさに医療崩壊を防ぐ重要な取り組みである。リーフレットは協会のホームページからダウンロードしていただければ院内掲示できるし、宮崎国久常任理事の制作した動画版もある。ぜひ、これらを活用して院内の皆様への意識づけを進めていただきたい。

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